【TED】「与える人」が生きやすい組織を ~TED『「与える人」と「奪う人」-あなたはどっち?』を観て~
平日はできるだけ毎日、昼休みの時間に「ランチTED」をしています。
今日のお昼には、おもしろいTEDを観たので紹介します。
僕の理想とする組織の在り方に近いものを、とある組織心理学者が述べていました。
1. ギバーな集団
人には3つのタイプがあり、与える人(ギバー、Giver)、奪う人(テイカー、Taker)、合わせる人(マッチャー、Matcher)と分類できます。
組織がギバーとマッチャーで構成されるのが理想だそうです。
マッチャーは組織内のギバーに合わせるので、事実上ギバーだけの集団となります。
このような組織では、自分のできることは自主的・積極的に取り組み、他人のほうが得
意なことは頼るといったことが当然のように行われます。
2. ギバーな集団の作り方
プレゼンでは、ギバーな集団を作るにはテイカーを排除することが大切と述べられています。
そのためにテイカーを見極め、集団に入れないことが大事だそうです。
わかるっちゃあ、わかるのですが、排除とかはなんか嫌やなーと。
そこで、個人的には多数のギバーによってマッチャーやテイカーをギバーに染めてしまうのが理想です。
こうして生まれたギバーがまた他の集団でギバーを生めば世界は少しくらい平和になるかなー。
まずは自分がギバーであることから始めないと、ですね。
チャンチャン♪
【Book】今まで読んだ小説の中で一番素晴らしい「あとがき」を見た。~「ボノボとともに」を読んで~
短い人生の決して多くはない読書経験の中で、僕はいくつかの小説を読んできました。
その中でもこの本の「あとがき」が一番よかったかなぁと思います。
『ボノボとともに ー密林の闇をこえてー』
お話は、ボノボという「ヒトに最も近いサル」と呼ばれる動物と少女の命を掛けた冒険物語です。
平和なサル、ボノボ
ボノボはコンゴ民主共和国を唯一の生息地とする類人猿の一種で、そのDNAの98%以上がヒトと同じと言われています。
同じく、ヒトに近いと言われるチンパンジーは攻撃的であることが知られていますが、ボノボは争い好みません。
また、お互いの緊張状態を緩和するために老若男女問わず性行動を行うことが、この平和維持に寄与していると考えられています。
ヒトとの類似性、知性、平和的な社会集団などといった点から注目を集めている動物です。
物語の舞台は、そのコンゴ民主共和国です。
密猟者からボノボの子ども「オットー」を買い取った少女ソフィーは、母の働くボノボ保護センターに向かいます。
しかし母が留守の間にコンゴ民主共和国で紛争が勃発します。
命からがら少女とオットーは母の元を目指します。
道中に起こる出来事にあわせて、コンゴ民主共和国の情勢とボノボの生態が描かれていきます。
日本と違ってコンゴ民主共和国がどのような状況に置かれているかということ、ボノボという類人猿の生態も簡単に知ることができます。
ボノボが好きな僕としては、ボノボやコンゴ民主共和国の人たちが置かれている厳しい現状にどことなく心をざわつかせながら、興味深く読むことができました。
そして、この本は中身以外にのところもおもしろい工夫がされていました。
「あとがき」です。
読者に寄り添ったあとがき
「作者のあとがき」では、物語とは違った実際のコンゴ民主共和国の情勢について、ボノボの密売について情報提供されており、「実際のところどううなの?」という読者の疑問に答えています。
さらに「作者とのQ&A」という項目が続きます。
僕はこのような項目のある「あとがき」を初めて見ました。
そこには、なぜこの物語を書こうと思ったのか?取材するにあたっての困難は?取材してみて気づいたことは?コンゴ民主共和国やボノボの今後に必要なものは?などの質問に答えています。
小説を読んでみて、物語を書く動機や、取材の実際、といった点に興味が湧き作者の話を聞いてみたいと思うこともしばしばありました。
そのような思いをここまで丁寧に満たしてくれる「あとがき」はあまり見たことがありませんでした。
作者の考え、今後どうすべきかなども載っている点に驚きました。
作者はボノボの保護にはお金がかかることも認めており、寄付のための情報も記載しています。
訳者も同様に、ボノボについて知るにあたっての参考書をいくつか紹介しています。
こうしたらよいと思う、という意見を述べるだけでなく、そのための最初のステップとなる情報を提供している点に僕は感心しました。
その点が作者・訳者ともに読者に寄り添っていると思いました。
まずは目をむけること、気づくこと
多くの人がボノボの保護を支援するためにまずできることとして、作者は「目を向けること。そして、気づくこと」と述べています。
この本で扱われているのは遠いアフリカで起こっている出来事で、それがどう転ぼうとおそらく僕らには大きな影響はないでしょう。
ましてや、ボノボという一種の生物が絶滅したところで何も変わらないでしょう。
しかし、同じ地球で起こっていることに目を向け、気づいて、考え、行動するしないを決めることと、目を向けもしないで気づかないことは結果は同じでも雲泥の差を生むように僕は思います。
世の中は知らないことだらけで、すべてのことを知るのはどう考えても不可能ですが、コンゴ民主共和国で起きていること、ヒトに一番近いサルが瀕している現状は知っておきたいです。
これは僕が生き物が好きだからということもあるでしょうが、人間の活動によって命を脅かされている生き物について、もっと考える時間が増えたらいいなと思います。
そして僕にできることを考えていきたいです。
チャンチャン♪
【Book】ヒトは世界中のあらゆるところにいて、人との関わりが結局は一番大事なのかね。 ~「はじめてのフィールドワーク①アジア・アフリカの哺乳類編」を読んで~
京都大学で野生動物の研究をしている学生が書いた本を読みました。
はじめてのフィールドワーク①アジア・アフリカの哺乳類編」
僕はアウトドアが好きで、登山やキャンプを中心に外で遊んでいます。
そんなアウトドア好きが高じて、サークルも作ってしまったくらいです。
アウトドアサークルSAMPO
https://ja-jp.facebook.com/outdoorsampo/
僕は生き物が好きで、生物学を学んでいます。
僕の好きなアウトドアと生物学、これを足し合わせたのがフィールド研究だと個人的には思っています。
つまり、どっちも楽しめると。
というわけでフィールド研究にも興味を持っているので、この本を読んでみようと思い至ったわけです。
あと、上述したようにこの本は「学生」が書いています。
学生がどのような視点で、どのような文章を書くのかという点にも興味がありました。
この本では、マンドリル、チンパンジー、オランウータン、バク、ヒョウっといったアジア・アフリカに生息する様々な哺乳類の研究が紹介されています。
それらの生態だけでなく、どのように研究するか、どんな工夫があるか、現地生活はどのようなものか、といった点も述べられているのが面白いところです。
また、学生ならではなのかどうかよくわかりませんが、文章に飾りが少なく率直に書かれているようにも感じました。
フィールド研究の実態を知るためには、良い本だと思います。
結局大事なのは人間関係
さて、この本の中で最も印象的だったことを一点だけ紹介しておきます。
それは、「野生動物のフィールド研究でありながら、人間関係が肝だ」と随所に述べられていることです。
ここで言う「人間関係」にはかなり広い意味合いが含まれています。
いくつか例をあげます。
アジア・アフリカの野生動物のフィールド研究では、(主に)海外の自然保護区で行われます。
外国に入国しますので当然、種々の手続きが必要です。
さらに、自然保護区となると、別の手続きも必要となります。
この手続きが煩わしく、時間がとられるそうです。
担当の役所の返事が無かったり、手続きを延ばしに延ばされたりするそうです。
そこで、足しげく役所に通っていると、役所の人と友達になり、手続きを早くしてくれることもあるそうです。
自然保護区での研究のために管理している人たちとの人間関係が重要です。
野生動物が生息している森などは、辺り一帯が木々で囲まれ、何の目印もないなんて言うこともざらです。
そんな地帯に足を踏み入れる際は、原地住民の助けを借ります。
彼らはその土地に詳しく、独特の方向感覚を持っており、危険な生物にも詳しいからです。
雇うという行為は、日本で言う「アルバイトを雇う」といった感覚で、日給いくらとかいう計算をしてそのアルバイト代を払うそうです。
そのようなシステムは原地住民には存在しておらず、私たちの感覚がはまらないこともしばしばです。
集合時間に遅れてきたり、給料の前貸しを請うてきたりするそうです。
契約違反はクビを切れば済みますが、彼らとの間に溝を作ってしまってはなりません。
彼らがいないと研究ができないからです。
研究地域を歩くために現地住民との人間関係が重要です。
上気した内容とも関連しますが、現地住民の言葉を覚えることも必要となります。
役所で働く人は英語を話すことはできても、原住民は話せないことが多いからです。
研究のためには彼らが必要で、彼らと研究するためにはコミュニケーションが必要です。
野生動物は都市から離れた場所に棲んでいる場合もあります。
そのような人が普段いないような場所にも詳しい人がいて、そのような場所に入る場合にはヒトの助けが必要だということです。
野生動物の研究でも、人との関りが重要で、それを多くのフィールド研究者が語っていることが新鮮でした。
生き物が好きなだけでなく、人との関りが好きでないとやっていけないのですね。
チャンチャン♪
【Book・Life】人生は一回しかないので、本を読む。~「生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」を読んで~
人生は一度きりで、時間の流れはとめることができません。
なので、その瞬間の「選択」は一度しかできません。
「人生はやり直すことができる」というのもある点からみると事実であると思います。
がしかし、全く同じ状況が再び巡ってくることはあり得ないので、やはり選択は一度きりで、その選択の連続が人生にはつきものだと思います。
決断する前に「セーブ」して、気に食わない結果なら「セーブポイント」まで戻ったり、「リセット」して始めからやり直したりすることはできません。
結局、人生はやってみないと誰にもわからないのです。
やってみないとわからないからやってみたいけど、今この瞬間は一度しかないし、どれを選べば、、。
って思い悩んだ経験はありませんでしょうか?
「人生が二回あればなー」と思ったことはありませんでしょうか?
僕にはあります。
「一度きりの人生をいかに楽しく過ごすか」というテーマには興味があります。
人生が二回あればしたいことや、一つの人生で自分が二人いたら、ということもたまに考えます。
僕が考えたところで人生は一回という事実は変えようがありませんし、僕が二人になることもあり得ません。
なので僕は今この瞬間に行う「選択」に対する「納得度」を高めるという方法を「選択しています。
納得度を高める方法の一つとして「本を読むこと」があります。
やっと本の話です笑。
『生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』
この本の言うところのテーマは、(主に)「研究テーマ」です。
簡単に言うと、「研究者が明らかにしたいこと」です。
研究者が生涯のうちに明らかにできることというのは、科学全体から見るとほんのわずかなものです。
できることが限られているので、何に自分の人生を使うかがとても大事なのです。
(本当に明らかにできるか、も大事です)
それぞれの分野で名の通っている研究者たちを紹介し、彼らがなぜその分野で有名なのか、なぜそのテーマを選んだのかがこの本では述べられています。
(研究者だけでなく、作家さんも登場します)
テーマ選択の理由を探っていく上で、研究者たちの人生を追っていくことになります。
そのように人生の先輩の生き様を知ることこそ、人生において選択を迫られた際に、納得度の高い選択をすることに繋がるのではないかと僕は考えています。
自分にとって道の森(人生)を進むとき、すでにその先を歩いた人(人生の先輩)の話を聞くことで、選択肢の幅を広げたり、選択肢を吟味したりすることができるからです。
僕は「歴史」という教科にあまり興味を持ってきませんでした。
未来のことを考えるのが好きなたちで、起こってしまったことは変わらないから、考えても仕方ないと思っていました。
この本の著者は「おわりに」でこう述べています。
「たくさんの人生を知るということは、自分自身を豊かにすることです」
人生の先輩が歩いてきた道、過去・歴史を知ることで、未来の自分がより納得のいく選択ができるのではないかと思っています。
偉人伝という類の本はたくさんあります。
偉人伝と言わずとも、多くの本では著者の人生経験が語られています。
一度きりの人生、納得のいく選択を取るためにも、本を読んで、先輩たちの歩いた道を知りたいと思っています。
それがより納得のいく選択につながり、より幸せな人生を送ることにつながるといいなーと考えています。
チャンチャン♪
【Movie】2月観た映画。
2月は目標達成、4本の映画を観ることができました。
映画を観るときは特にテーマはありません。
なんとなく、これおもしろそうだなーというものを観ることにしています。
知識もないですし、大したアンテナも持っていないので、何が良いのかよくわからんのです笑。
2月観た映画はこちら。
1. ツレがウツになりまして
2. 深夜食堂
3. 涙そうそう
4. ホリデイ
1. ツレがウツになりまして
鬱になっちゃった夫と、それをサポートする妻の話。
鬱という病気がどんなものか概念的には知っていますが、実際に映像にするとこんな感じになるのだということが目に見える形で分かりやすかったです。
そして、宮崎あおい扮する妻のサポートが素晴らしく、優しすぎる!
夫に休みたいときは休めばいいと寄り添う姿にとても微笑ましい思いでした。
夫を川に例えるなら、その流れをせき止めるダムや、流れを変えたり流れを分断したりする分岐点ではなく、その流れに合わせて同じ方向を目指す船の様でした。
2. 深夜食堂
主人公の営む深夜食堂に集まる客たち、主人とお客、周りの町の人たちの関わりがなんとも言えない映画でした。
劇的な展開があるわけではありませんが、にぎやかな客たちに対して淡々とした主人の対応になんとなく惹かれます。
この「なんとなく」がいいんじゃないかなーと思います。
うまく言えませんが、主人のオーラが素晴らしいです。
動かざるごと山の如くのおじさんになりたいなーと思います。
3. 涙そうそう
兄弟愛を描いた作品。
沖縄を舞台にした映画を観ると、たいてい沖縄に住みたいと思ってしまいます。
独特の雰囲気が流れており、三味線、泡盛、エイサー踊りの宴会を見ていると「入れてー」って気分になります。
物語自体は急展開で、テーマを絞るのが良いと思いました。
4. ホリデイ
それぞれがそこそこ上手くやっている二人の女性、しかし男運はない二人の女性、彼女たちが家を交換することを転機に、幸せを手に入れます。
「家を交換する」というアイデアが面白いなーと。
実際にこーいうサイトがあるのかどうか知りませんが(ありそう)。
前々から時々思っていることですが、同じところにうん十年住むのより、いろんなところ回った方が楽しんじゃないかなーと。
もちろん、大変なことはいろいろあります。
家具などの運び出しとか、人間関係とか、仕事とか。
家具の運び出しについては、とにかく持っている物の量を減らすことで対応できます。
かねてから現代人は物を持ちすぎなんじゃないかと僕は思っています。
定期的に移住(?)することで、最低限のものをもつという習慣ができるかなーと。
人間関係も、定期的な移住(?)が広がれば、外から来た人を快く受け入れる態勢が整っていくんじゃないかなーと。
仕事はネットの普及で、いろんなところでもできるようになってきたので、いずれ解決されるかなーと。
とまぁ、まとまりのない4作品を観ました。
映画に関しては、どんなものが面白いと見極める選球眼と自分の中の軸をつくることのできるようになるまで、いろいろ幅広くみていきたいと思います。
チャンチャン♪
【Book】3月読む本。
3月は小説も読みつつ、学術関連の本を読みつつという目標を達成したいと思います。
テーマとしては、フィールドワークによる霊長類学・人類学を中心に置くことにします。
3月読む本はこちら。
《小説》
1. 天使と悪魔・上
2. 天使と悪魔・中
3. 天使と悪魔・下
4. ボノボとともに 密林の闇をこえて
5. ワイルドソウル・上
《学術関連》
6. 生涯をかけるテーマをいかに選ぶか
7. 初めてのフィールドワーク アジア・アフリカの哺乳類編
8. 野生のゴリラと再会する
9. 道徳性の起源 ボノボが教えてくれること
《その他》
10. 東大囲碁教養講座
それでは、一個ずつ見ていきます。
1-3. 天使と悪魔・上中下
300ページ近くある本を3冊も読むという強気なスケジュールに出ることができた理由は、すでに読み終わってしまったからです。
平日の3日で3冊読むことができました。
それくらい面白い本です。
うちの研究室の秘書さんが「面白いから」とお勧めしてくれた本です。
宗教と科学、人類に幸せをもたらすのはどちらか、といった視点は研究している身からすると非常に考えさせられました。
どっちが良いということはないし、バランスも大事だと思うので、自分が今身を投じている分野に偏向した考え方を持たないようにしたいと思いました。
また、欧州を始めとする宗教芸術には全くと言っていいほど興味がなかったのですが、この本をきっかけにベルニーニの彫刻に興味を持ちました。
人生で初めて「生で観たい彫刻」というものを持つことができました。
「聖テレジアの法悦」というものなのですが、大理石の彫刻とは思えないほどの柔らかな曲線に思いをはせていました。
4. ボノボとともに 密林の闇をこえて
ヒトを除く霊長類の中で、僕が最も興味を持っているのが「ボノボ」です。
チンパンジーと共に、「ヒトに最も近いサル」と呼ばれています。
最近、そのボノボに関する本や論文をちょこちょこ読んでいるのですが、なんと小説にもなっているではありませんか!
ということで購入しました。
来週辺りに読み始める予定ですが、非常に楽しみにしています。
5. ワイルドソウル・上
たぶん、いつかの「〇月読む本。」にも登場した本です。
「ワイルド」という単語に惹かれたとか書いたような笑。
「3月読む本。」には、小説が5冊含まれるといった太っ腹ぶりですが、3冊はすでに読み終わっているし、たいていの小説は比較的早く(2,3日)で読めますし、5冊くらいはいけるのではと踏んでいます。
6. 生涯をかけるテーマをいかに選ぶか
「テーマ」ってなに?
「人生のテーマ」?
って思われる方もいるかもしれませんが、「研究テーマ」です。
研究の世界で生きていく人たちにとって「研究テーマ」は非常に重要で、そのまま「人生のテーマ」になってしまう人もいると思います。
それくらい重要な研究テーマ、先人たちはどのようにして選んできたのかを著者が紹介します。
東工大の講義のひとつだそうです。
僕は生き物が好きで、生物学の多くの分野に興味があります。
しかし、残念ながら自分自身で研究できるのは、一分野のごくごく狭い部分のみ。
だったら、どんなことを研究するかというのは非常に重要です。
ちょっとしかできないので、そのちょっとを何に絞るのか、最近考えていました。
そんな問題の解決の糸口でもつかめたらいいなーと思っています。
7. 初めてのフィールドワーク アジア・アフリカの哺乳類編
最近僕が関心を抱いている霊長類ボノボの話を上記でちょっとだけしました。
さて、ボノボの研究はどのようにして行われているのでしょうか。
フィールドでの研究と実験室での研究と、大きく二つありますが、僕の関心が特に強いのがフィールド研究です。
そこで、ボノボが生息するアフリカを含んだフィールド研究に関する本を読んでみようと思いました。
京都大学の野生動物研究センターの学生を含んだ研究者たちが自らの研究実態について執筆しています。
8. 野生のゴリラと再会する
京都大学総長山極先生の著書で、フィールド研究で対象とし、心通わしていた特定のゴリラと26年ぶりに再会するというお話です。
フィールド研究の神髄を垣間見ることを楽しみに購入しました。
また、レビューでは、山極先生の筆に感動するという旨も書いてあったのでハンカチを用意します。
9. 道徳性の起源 ボノボが教えてくれること
またまた、ボノボです笑。
ボノボは非常に平和的な動物として知られています。
群れで行動しており、群内・群間のいざこざは多少あるものの、近縁種のチンパンジーのように仲間を殺したりはしません。
また、協調行動や利他的行動も多くみられるといいます。
そのような霊長類を研究することで、ヒトについて知る、のが「霊長類学」という学問です。
本書では、特に平和的なサルであるボノボの道徳性について注目しています。
正直、学術関連本4冊は読了できるか怪しいですが、3月中に本書の途中まで行けたらいいなーと思っています。
10. 東大囲碁教養講座
囲碁始めました。
理由はいろいろあるんですが、頭を使いそうなゲーム(囲碁、チェス、将棋など)を何か始めたいなーと思っていました。
難易度、プレイ人口、国、、、様々な要素を考慮して囲碁にしました。
結局のところはiPS研究所の山中先生も始めているらしい、僕のおじいちゃんが囲碁好き、母片の家系は伝統的に囲碁が強いらしい、高齢者との交流を持てるかもしれない、、、といった「人」の要素が決め手となりました。
(就活みたいですね笑)
ネットでルールを覚えて、オンライン囲碁をちょろっとやってみたのですが、全然勝てないので指南書を購入することにしました。
いろいろ調べてみた結果、東大の教養科目で囲碁があることに驚き、それについて教科書的に書かれた本があると知り、それが本書です。
読みながら、囲碁を打ちながら覚えていきたいので、この本は3月中に読み終えたい本ではありません。
だらだら読みながら、時に立ち返って、実践しつつ、囲碁を上達していきたいです。
んで、いつかはおじいちゃんとよい勝負できるとこまで持っていきたいです。
すでに読み終わっているのが3冊、読み終わらなくても良いのが1冊ということで、3月は余裕があるので、10冊の本をピックアップしてしまいました。
残りの6冊中、5冊くらいは読了したいと思います。
今回選んだ学術関連本のうち「道徳性の起源」以外は、比較的平易に書かれた本っぽいですし、すらすら読めると見込んでいます。
3月のテーマであるフィールドワークによる霊長類学・人類学を楽しみたいと思います。
チャンチャン♪
【Book】2月読んだ本。
2月はすごく長かったように思います。
2月の前半に読んだ本、後半に読んだ本で、頭に残っている感覚が違っています。
今月の特徴は、、、何と言っても小説を読まない月であったということです。
個人的にはビックリです。
僕は小説と生き物関連(食事・健康なども含めて)の本が好きです。
これらの本を読んでいる時の没入感は、他の追随を許しません。
ではなぜ小説を読まなかったのか?
答えは、生き物関連の学術書が面白かったからでしょう、たぶん。
そして、今月読んだ本はこちら。
1. ヒトと文明
2. 外来種は本当に悪者か
3. GO WILD
4. ゾウの時間、ネズミの時間
5.博士号だけでは不十分
6. リーダーは弱みを見せろ
7. 私がマッキンゼーを辞めた理由
学術関連の本が5冊、ビジネス・啓蒙っぽいのが2冊です。
1. ヒトと文明
この本の副題は「狩猟採集民から現代を見る」です。
ここに惹かれてこの本を読みました。
僕のイメージでは、狩猟採集民は日々の食料を確保するのにあくせくしていて、農耕民は計画的に栽培を行い安定した生活を送っていた、と思っていました。
しかし、先月読んだ「あなたはボノボ、それともチンパンジー?」という本には「アフリカの狩猟採集民の生活ものんびりしていて悪くない」 というような旨の文章がありました。
それで「ヒトと文明」を読んだわけですが、、、。
狩猟採集民の生活だけでなく、その定義、文化背景、人権問題など、思ってもみなかった世界が溢れ出してきました。
当然のことながら、世界には僕の知らないことが山ほどあり、それを少しずつ知っていくことに喜びを感じます。
そういった意味では、刺激的な本でした。
この本を読むことで、改めて強く思ったことがあります。
農耕牧畜は確かに安定した食料供給を実現したように思いますが、その負の側面も見つめ、様々なな視点から物事を考えられるようにならないとなーということです。
2. 外来種は本当に悪者か
「外来種」ってなんだ?
生物種としてそのような種がいるのではなく、人間が固有の生態系と考えるものの外から入ってくる生き物たち。
彼らは生物として生きて、自らの遺伝子を後世により多く残すために戦略を取ってきました。
外来種の侵入も、環境に適したものが残る自然の摂理で、それを防ぐというのはいかがなものか。
自然と人間を切り離して見ていないか。
一方で、固有の生態系を守るというヒトの行動も自然の一つなのか。
どう考えればよいものかと思っていました。
んで、この本を読んでも答えは見つかっていません。
ただ、現在話題に上がっている外来種問題の多くは、その種自体が悪いのではなく、人間が破壊した生態系にその種が入り込んだだけという例が多いようです。
少なくとも、本書にはそのように紹介されています。
生き物自体が悪者ではなさそうという結論になぜか一安心する自分がいました。
その一方で、アフリカやアマゾンなどの「手つかずの自然」と思っていたところも、過去に人間の手が入っていたことが本書で触れられています。
これには驚きました。
人間は本当に地球のどこにでもいて、ちょっと多くを占めすぎなのかもしれません。
このように一度は破壊された自然も、放置されることでまるで「手つかず」のように再生するようです。
しかし、自然は再生できても、種が消えてしまってはその種の再生は不可能です。
種を守るべきなのか、自然の摂理と見放すのか、僕はいまだに選ぶことができません。
考えあぐねている間に種が滅んでしまわないように、今は守ることが必要なのかもしれません。
それが僕の暫定の結論です。
もう少し、時間をください。
3. GO WILD
この本については唯一、単独エントリーとして少し書くことができました(よかった!)。
現代の生活は、人間の生物学的進化に合ったものではなく、体が適応していない。
という主張をもとに食事・睡眠・運動といった視点から「野性的な生活」のススメが説かれています。
特に面白かったのは運動です。
上記エントリーでも触れましたが、長距離を走ることのできる人間の持久力と、自然の複雑さに対応するための複雑な運動が脳を鍛えるという話が印象的でした。
そしてそれらを統合すると、最適な運動は「トレイルラン」だ!という結論に至るのです。
コンクリートロードや、ジムの動く床と違って、起伏に富んだ山道で足を踏み出す位置を瞬時に考えながら走ることで脳は鍛えられると、筆者は言います。
納得できたので、トレイルラン始めました。
ただ、山を走るという行為はそれだけ山にダメージを与えるということなので、そこの対策を考えていかないといけないと思っています。
4. ゾウの時間、ネズミの時間
体の大きさは違えど哺乳類の心臓が生涯を通じて脈打つ回数はほぼ一定。
しかし寿命は異なる。
寿命の長いゾウの拍動はゆったりと、一方でネズミの拍動は忙しない。
両者には異なる時間の流れがある。
これは本書に登場するサイズ生物学の一端にすぎません。
本書には、この他にもなぜそのサイズなのか?サイズが違えば何が違うのか?といった疑問に非常に多岐にわたる回答が用意されています。
生物は進化の過程で、自然淘汰によって選別されてきて、今私たちと同じ地球に暮らしているのは選ばれた者たちです。
その選考過程には何かしらの基準があり、たいていの場合、その生き物がその様であるのには理由があるのだと思います。
それをサイズの視点から切り開いていってくれる本書は、1ページ目からずーーーっと面白いです。
読書中は、本自体にメモしながら読む派の僕ですが、本書は真っ赤になっています。
5.博士号だけでは不十分
多大な時間と労力をかけて博士号を取ったは良いが、職にありつけない人がいると言います。
本当かよーと思うのですが、そのような人たちは自分の専門研究で博士号を取り「自分の専門研究以外のことはできない」からそういった位置に立たされてしまうと僕は考えています。
本書を手に取る前から思っていたことではありますが、専門分野を持ち、それに精通することは当然ですが、その専門研究だけの人間にはならないようにしなければと思います。
専門と言えるものを2つ持てということではなく、研究以外の社会スキルとか常識もいるよねってことです。
研究者である間に、人間であり、社会の一員です。
当たり前のことだと思います。
6. リーダーは弱みを見せろ
正直、かなり前すぎて中身の大部分をはっきりと思い出すことはできません。
この本で印象に残っているのは、「モンテッソーリ教育」です。
教師(親)がファシリテーターとなり、生徒(子ども)のやりたいことを引き出し体験できる環境を提供するというものだそうです。
体験によって学び、自主性を養うことができるという点で僕は共感できる考え方です。
本書の本筋とは異なるところに興味を見出してしまいました。
このようなこともあるので、どんな本がタメになるのかはわかりませんね。
7. 私がマッキンゼーを辞めた理由
「生まれ変わったらしたいこと」「人生がもう一度あればしたいこと」それが今本当にしたいこと。
思っていた以上に、刺さりました。
東大からマッキンゼー、そしてお笑い芸人へ。
苦悩の末、エリートコースを外れた著者。
案外普通の人(行動がぶっ飛んでいないという意味で)で、普通の人なりの成功体験、
苦労体験、そして「やりたいこと」への決断がおそらく本音で書かれています。
やはり、それぞれの本について単独エントリーを書くことができないと、内容の定着が弱いように感じます。
インプットした情報は、アウトプットされることで頭に残るように思うのです。
2月読んだ本の中でも、その中身についてたまたま人にベラベラと話す機会のあったものはよく覚えています。
こうして本の中身や、そこから考えたことをブログという形でアウトプットしているのは、「出すことで残す」ためでもあります。
本を読むことよりも、読むことで得たものを生活に活かすことに意味があると僕は思っているので、3月はできるだけ本に関する単独エントリーを書きたいなーと思います。
3月も一週間が過ぎましたね、、、。
チャンチャン♪