【Fiction】君の波になる 

「私の波になりなさい」 君の声が青空のもとにファンファーレの如く鋭く響く。ファンファーレ。当時、君と僕は5歳。サーフィンごっこの真っ最中だ。 君と僕は幼馴染み。だけど、君と僕は馴染まない。君は水で、僕は油。みたいなもの。混ざり合うには乳化しなければならない。洗剤のような、界面活性剤があるといい。それ…