【Book】人はだをもとめる人 ~「震災風俗嬢」を読んで~
最近、いろんな意味で面白い本に出会ってて、ありがたい限りなのですが、その中でも新鮮な衝撃を受けた本を簡単に紹介します。
震災風俗嬢
以前にも風俗嬢に関する本の感想を書きました。
この「女子大生風俗嬢」という本も衝撃で、僕の知らない世界について書かれていました。
「夜の仕事だから」と偏見を持ってはいけないということを再認識し、夜の仕事をやっている側にもそれが救い担っている部分があるということを知りました。
そして今回、紹介する「震災風俗嬢」では、夜の仕事をやっている側とやってもらう側の双方に救いとなる部分があるということが書かれています。
2011年3月11日、東日本大震災による被害を受けた町で求められていたのは、「人肌の温もり」だったのかなぁと思いました。
まさか、風俗がその一端を担っていたとは思ってもいませんでした。
1. やっている側が求める人肌
夜の仕事に従事する人たちは、人によってはかなり早い段階から仕事に復帰していたようです。
その理由として、仕事があった方が安心できる、お客さんと話すことで自分自身も安らぐといったところです。
再開当初は営業時間を短くしていたらしいのですが、普段よりも多くお客さんが押し寄せたそうです。
そのお客さんたちの対応に忙しなく働くことで、気分が紛れたという人もいます。
また、震災によって仕事を失った人が少なくなかった時分に、自分を必要としてくれる人がいて、働き先があるということでかなり安心できたといいます。
さらには、被災した風俗嬢も自分よりも壮絶な経験談を聞くことで、時分ばかり落ち込んで入られないと思った人もいるみたいです。
理由は様々だが、「仕事には癒された」そうです。
そして、「この仕事には心の癒しを求めてくる人も多い」と感じているそうです。
2. やってもらう側が求める人肌
人肌に触れないと正気でいられない。
話を聞いてもらいたい、人肌に触れたいという思いでやってくる人はかなりいたようです。
それと当時、避難所生活をしていた人たちはお風呂が入れなかったのですが、ホテルではお風呂が使えたそうです。
なので、ホテルでお風呂に入りに来て、ついでにサービスをお願いするという人も多かったようです。
他県から応援に来ていた作業員も疲れから、癒しを求める来ることもかなりあったようです。
話したりするだけでもかなりの癒しになったという人もいます。
3. 人肌がもたらすもの
僕は東日本大震災関連の活動として、福島県で「足湯」をしてきました。
マッサージや一緒におしゃべりもやってきました。
今まで書いてきたような触れ合いとは異なりますが、僕たちのやってきた活動も同じような癒しをもたらすことができていたのかもしれないと思うことができました。
人と人が触れ合い、話す。
それだけで、どこまで効果があるのかというのはあまりわかっていませんでした。
そして、風俗という仕事がそのような癒しをもたらしていることにも考えが及びませんでした。
やはり、何事も偏見を持たないようにしなければならないと改めて思いました。
世の中でタブーとされていたり、あまり表に出てこなかったりするところを知ることは大事でだなぁと感じました。
知らないと何にも言えない。
基本的に、風俗を利用するのは男の人だと思います。
男の人には、こうやって癒しを求める場所があった。
風俗で働いている人にも、癒しを感じる場所があった。
では、その他の女の人たちはどうだったのだろう、というのが今の僕の疑問です。
どこかで、そのようなことに言及した本に出会えたらいいなと思います。
チャンチャン♪