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【Book】俺の読書術〈理論編〉 ~自分にとって価値の高い本を作る~

 

 僕が読書する際に意識していることを「1. 読書前」「2. 読書中」「3. 読書後」「4. 読書の時間と場所」「5. その他」に分けてご紹介します。

 

 特に「読書中」に心がけていることが、この読書術の鍵となっています。

 

 僕が読む本はざっくり小説系・学術系・ビジネス系の3つに分けています。そのうち、小説系(小説や詩集)に関してはこの読書術の「読書中」の行程にある「2回目の読書」は適応していません。

 

 どこかの誰かの何かのお役に立てればいいなと思います。

 

 

 

 

 

1. 読書前


1-1. ブックマーク

 気になる本を片っ端からPC上にブックマークしています。ブラウザに「Book」というフォルダを作っています。ネット記事で見つけたオススメの本など、気になったものを検索し、URLを残しています。

 

 

1-2. 友達のおすすめ

 友人にお勧めされた本は全て上記のブックマークに保存しています。良い人からお勧めされた本は良い本だと考えています。なので、基本的にすべて読むようにしています。また、友人にお勧めされた本を読んだら、その感想を添えてありがとうメールを送るようにしています。

 

 

1-3. 尊敬する人のおすすめ

 考え方や行動がなんとなく「すごいなー」と思う人にはお勧めの本を聞くようにしています。その人がどのような本を読むかは、その人の思考に影響を与えていると思うし、その思考が行動に影響を与えていると思うからです。教えていただいた本はブックマークします。

 

 

1-4. 本屋さんでジャケ買い

 最近は少なくなりましたが、たまに本屋さんに行きます。「本屋さんに入るときは本を一冊以上購入する」という原則を僕は設けています。

 

 本屋さんで購入する本は基本的にジャケ買いです。なんとなく、タイトルと表紙に惹かれる本を手に取り、著者・目次・まえがき・あとがきをサラッと見て、買うかどうかを決めます。目次がわかりやすく面白い、まえがき・あとがきが面白い本は購入します。買うかどうか迷った本はスマホなどにメモをして、家に帰ってから再考します。

 

 誰かと待ち合わせするとき、待ち合わせ場所は本屋さんが近くにあるとこにすることをお勧めします。待ち合わせの時間より少し早めに来て、時間になるまで買う本を探すことができるからです。

 

 

 

 

2. 読書中


 この読書術では、「読書は自分専用の本を作るプロセスである」と考えます。

 良い本に出会ったときは、その本を最低でも2回は読むように僕はしています。1回目の読書では、その本を自分専用の本に作り変えます。書いてある情報のうち、自分に必要なものと必要のないものを分けます。さらに、必要なものの中で重要度によって情報を分けます。2回目の読書では、自分専用の本を読み込み、情報を吸収します。

 

 

2-1. 1回目の読書:ペン

 1回目の読書ではペンを使い、書き込みをします。

 

 黒色で印字された本の余白に書き込むので、黒以外の色のできるだけ細いペンを使うのが良いと思います。僕は赤の0.3 mmを使っています。

 

 複数の色を使っても良いのですが、僕は一色にしています。線を引いたり、文字を書いたり、丸を描いたり、四角で囲んだり、一色の中でも記号にバリエーション持たせて表現するという試みによって創造力が鍛えられると考えているからです。様々な色彩を使い分ける力を養いたいのであれば複数色使うのも良いと思います。

 

 どのみち僕の場合、電車で立って読書しながら書き込むことが多いので、ペン一本に収まる数の色しか使うつもりはありません。

 

 

2-2. 1回目の読書:情報の格付け

 1回目の読書で重要なことは、その本に書かれていることを自分にとっての重要度によって分類することです。

 

 一冊の本には沢山の情報が盛り込まれていますが、自分にとってそれら全ての情報が等しく重要ということはあり得ないと思います。例えば書かれている情報には、知っていること・知らなかったこと、自分の意見と同じこと・違うこと、思いもよらなかったこと、などが含まれているでしょう。

 

 それらの情報を重要度をもとに格付けします。これによって、2回目以降の読書の際に、この重要度に応じた読み方をすることができます。重要度大の情報だけをもう一度読み直そうとか、中と大を読み直そうとか、といったことができるということです。

 

 格付けのレベルは3段階くらいが良いのではないかと考えています。多すぎても面倒くさいし、少ないと読み分けできないからです。

 

 また、重要度をつける訓練は今の自分にとって必要なものとそうで無いものを選り分けたり、より重要なものに優先順位をつける能力も養ってくれるとも思います。僕がつけている分類はいかの通りです。

 ・重要度小:赤線でハイライトされた文章

 ・重要度中:余白に赤字で書かれたコメント

 ・重要度大:余白に書かれたコメントのうち、星印の付けられているもの

 

 

2-3. 1回目の読書:線引き

 僕は赤ペンを持って読書をし、少しでも気になったところに片っ端から線を引いています。ちなみに、フリーハンドでは直線を引くのは難しいし、普段から定規を持ち歩くのも面倒くさいので、あえて波線を引きます。

 

 これに該当するのは上記した知らなかったこと、自分の意見と違うこと、思いもよらなかったことが大半です。自分がすでに知っていることや、自分の意見と同じことは、すでに自分が持っている考えですので、この本から得る必要はないと考え、スルーします。

 

 でも正直、基準は何でも良いと思います。自分が少しでも気になったところは全て線を引きけばいいんじゃないかと思います。線が引かれていないところは基本的に今後読まれることはないからです。

 

 自分でもこんなにいっぱい線を引いて大丈夫かなと思うことはありますが、結果的にたいてい全体の2割も線を引いていません。100ページの本の中から自分に必要なことを20ページに絞ることができたというだけでも、情報の選別がかなりできていると思います。

 

 たまに自分の意見と同じことにもハイライトしますが、それは自分が考えていることが正しいという自信が持てないような時で、著名な作者も同じように考えていたのか!と自分に印象付けるためです。

 

 線を引く時に注意することは、余分なところには線を引かないことです。自分にとって必要な情報を絞り込むために線を引くのですが、それが無駄に多くなってしまうと本当に大事な情報が埋もれてしまうからです。線を引く頻度は必要であれば高くても構わないのですが、引く線の長さはできるだけ短くします。これを意識することで、ある文章の中から本質を見抜く力が身につき、無駄の少ない文章を書く力が養われるとも考えています。

 

 たとえば「もし、○○なら、・・・であるかもしれない。」という文章に線を引く場合、「もし」や「かもしれない」には基本的に線を引きません。「○○なら」と書いてある時点で「もし」の意味は含まれていますし、絶対であることは世の中にほとんどないと思うので「かもしれない」というのは全ての事柄に当てはまると思っているからです。もちろん、「もし」が付くことで可能性がより低いことを示していたり、「かもしれない」と自分が思っていなかったりする場合はそれらにも線を引きますが、それは場合によります。

 

 また、線を引いた離れている文章を関連づけるために、必要に応じて、記号や矢印を駆使します。

 

 

2-4. 1回目の読書:余白コメント

 1回目の読書で地の文に赤線を引く作業と並行して、特に気になった文章や自分の考えたことを余白に書き込みます。書いてある内容を「そのまま」あるいは「要約して」、「自分の言葉で言い換えて」書きます。

 

 そのまま書き込むときは上手く要約や言い換えができない時に限ります。これはあまり頭を使わない作業なので、できるだけ避けます。

 

 要約して書き込むことは、文章の本質を抽出する力を養います。自分の言葉で言い換えることで、自分に浸透しやすくなります。これらのように、より頭を使うので、要約・言い換えをなるべく行うようにしています。

 

 必要に応じて記号や矢印などを使って省スペースで内容や当時の自分の考えがすぐにわかるように工夫します。省スペースや記号などによる工夫を考えた上でコメントを書き込むことで、その内容が整理されて頭に残りやすくなります。

 

 

2-5. 1回目の読書:星付き余白コメント

 余白に書いたコメントのうち、ほんまにこれはいい!明日から実践したい!と思うものに☆印を付けておきます。実践できることなら本当に実践し、面白い話なら人に話すようにします。

 

 線を引いた箇所やコメントはいくら多くても良いのですが、この☆印だけはあまり多くなりすぎないように注意します。そんなに沢山のことを実行に移せないからです。☆印をつけたのに実行しない事柄が増えると、実行サボり癖がつき、自分の実行力が削られるので本当に注意しましょう。

 

 

2-6. 2回目以降の読書:必要な部分だけを読む

 2回目の読書では、1回目の読書で必要なものに分類された部分だけを読みます。読書にかけられる時間やその日の気分に応じて、どの重要度以上の部分を読むかを決めることができます。

 

 僕の経験上、一冊読むのに3時間くらいかかる本でも、重要度大の部分だけを拾い読みすると5−15分くらいで読むことができます。人によるかとは思いますが、一冊を読破するのに要する時間は格段に短くなることでしょう。

 

 僕は大抵の本は2回くらい読むようにしています。1回目の読書には相応の時間をかけますが、2回目以降のの読書には、20分もかからなくなります。

 

 ここで紹介した方法によって、時間の節約になるだけでなく、重要なところだけを集中して読むので記憶に残りやすくもなります。

 

 

 

 

3. 読書後

 

 良いと思った本は人に紹介します。SNSでも、ブログでも、口頭でもOKです。

一番のお勧めは記述と口頭どちらも行うことです。

 

 記述(SNS、ブログ、メモ)では、ゆっくりと時間をかけて、その本から自分が学んだ一番大事なことを伝わる文章にする方法を考えることができます。自分専用のメモよりかは、人の目につくSNSやブログの方が緊張感があり、その文章を読んだ他者の行動までも想像して書かなければならないという点でより頭を使うので、自分の文章力や想像力が鍛えられ、お勧めです。

 

 口頭では、そばに本がなくてもその中身を短く簡単に説明することができるかが、重要です。本の内容を整理できているかの確認になりますし、会話の方がより簡潔に伝えなければ相手に伝わらないので、その本のより本質をとらえることができる(とらえていないと完結に伝わる説明ができない)と思います。もし上手く説明できなかった場合、家に帰ってから、その本を見直して説明する文章を書きましょう。なんなら、相手に送りましょう。

 

 

 

 

こうして僕の読書は終了します。

最後に、いつどんなところで読書の時間を捻出するかと、おまけのお話をします。

 

 

 

 

4. 読書の時間と場所

 

 本は常にカバンの中に入れておきます。空き時間はすべて読書にあてるためです。

 

4-1. 電車で

 僕は電車での移動時間はたいてい読書にあてています。

 

 余談ですが、電車の移動中は友人と一緒でなければ、僕は座りません。立ったままの方が鍛えられるし、眠くならないからです。立ったまま読書できるのかということを聞かれることがありますが、僕の場合は全く問題なく読めますし、書き込めます。なので、あなたにも可能だと思います。

 

 

4-2. 待ち合わせで

 待ち合わせ時間を決めることは、相手と約束を交わすことですよね。当然、人との約束は守らなければなりません。自分が相手との約束を守らないのに、相手が自分との約束を守ってくれるわけがありません。お互いに約束を守らない対人関係は僕の人生には必要ないです。なので、まず自分から約束を守るようにします。約束を破らないようにするには、待ち合わせ時間より少し早めに着くようにすればいいだけです。

 

 そして、待っている時間を読書にあてます。万が一、相手が遅れてくる場合でも、待っている時間を読書にあてることができます。

 

 

4-3. 寝る前に

 寝る前にインプットしたことが記憶に残りやすいと言われています。寝る前に20分くらいでも読書の時間をとるようにしたいものです。

 

 寝る前に脳が活性化するような行動をしてはならないという話を聞いたことがあります。そして、手を動かした方が脳は活性化されます、多分(ノートを取っていると授業中でも眠くなりにくいと思いませんか?)。なので、書き込みが多い本よりかは少ない本の方が寝る前の読書には向いているのではないかと考えています。

 

 僕は寝る前の読書はたいてい小説にして、基本的にペンを持たないようにしています。

 

 

 

 

5. その他


5-1. 電子書籍

 紙の本はまぁまぁ重いもんですし、ものによってはかさばります。そこで僕がお勧めしたいのは電子書籍です。

 

「読書中」で書きました「余白コメント」などは少しやりにくいので、小説の場合に電子書籍を使うという方法を僕はとっています。

 

 

5-2. 並列読書

 僕は2冊くらいの本を並列して読むようにしています。

 

 たいてい小説系と学術系か、小説系とビジネス系というセットです。小説系は比較的、頭を使い過ぎず、基本的に書き込みもせずに読むことができます。なので、学術系やビジネス系の読書の休息的な意味合いでも重宝します。また、読みたい小説を常に持っておくのは、上述した就寝前読書のためということもあります。

 

 電車内や人を待っている時の読書でも、学術系・ビジネス系を優先的に読み、集中力が落ちたなーと思ったら小説系に切り替えるという方法を取っています。小説系は楽に読めるて面白いので次第にこちらを優先してしまうことも多々あります笑。

 

 

 

 

 お疲れ様でした。以上が僕の読書の概要です。

 

 

 

 

 このような技術的な読書術を用いることで、1冊1000円で売っている本をあなたにとって、何万円、何百万円あるいはそれ以上の価値のあるものに変えることができます。

 

 本には沢山の情報が書かれていますが、その内のどれがどのくらい重要かは人によって様々です。全てを記憶するのは難しいし、すでに知っていることを知ろうと努力するのは時間や労力の無駄遣いであると僕は思います。残念ながら、僕にはそのような余力はありません。

 

 また、情報を取捨選択・格付けするという行為は必要なものを見抜き、優先順位をつける力の養成にもつながると考えています。なんでもかんでも頑張って吸収すればいいというものでも無いと僕は思います。誰だって記憶力や時間には限りがありますから。自分が知りたいことだけ知っとけばいいんよ、と考えています。

 

 冒頭にも書きましたが、小説や詩集など、全ての文章を読んで初めて一冊としての価値が出てくる本に関しては今回紹介した読書術を適応していません。小説を読む際にも赤線を引いたり、コメントを書いたりすることはありますが、それは2回目の読書の時にそこだけを読むためではありません。心の動いた文章を改めて探す時に効率良くするためです。

 

 僕は本が好きで読書が好きなので、今回紹介した方法を生かして、一人でも一冊の本からでも何かを学び取って、また心を動かして人生に生かしてほしいなぁと思って書いてみました。

 

 本は、書き手にとっては書きたいがために、読み手にとっては学んだり心を動かしたりするためにある、というのが一つの役割なんじゃないかと思っています。素晴らしき読書タイムで、素晴らしきあなたのライフとなることを願っています。

 

 今回はあえて文章だけで僕の読書術を説明してみました。図を使わずに説明することで、相手に伝わりやすい文章を書く力を鍛えることができると考えたからです(と言うか割といつもそう思ってあえて図なしで書いています)。程よい制限による負荷は、良いトレーニングになります。

 

 でもでも、実際のところがよくわからん!という方もおられるでしょう。そこで、『俺の読書術〈実践編〉~こうして本を作り変える~』を絶賛執筆中です。こちらでは、今現在読み進めているビジネス本『Teal組織』を題材に、今回紹介した「読書中」の行程を実例を添えて簡単に説明し直したいと思います。よかったらご参考になさってください。

 

 

 

 

チャンチャン♪